ただ流れていく画面が見たくて、scrollを作った
最近、「scroll」というツールを作りました。表向きはポモドーロタイマーということになっていますが、実際にやっていることは、AIエージェントが何かに取り組んでいるかのようなログを、ただひたすら流し続けるだけのものです。
作っている最中、自分でも「これは何なんだろう」と何度も思いました。タイマーとしての機能はごくシンプルですし、画面に表示される内容も、よく見れば本物のログではありません。けれど、視界の端でそれが動いているだけで、なぜか落ち着くのです。
動いていることの心地よさ
私は普段からAIエージェントに作業を任せることが多く、画面の中で何かがどんどん進んでいく様子を眺めているのが好きです。最初は「AIが働いてくれているから嬉しいのだ」と思っていました。
でも、ある時ふと気づいたのです。
もしかして、嬉しいのは「AIが働いていること」そのものではなく、「画面が動いていること」なのではないか、と。
自分は手を動かしていなくても、何かが進んでいるように見える。
その光景を横目に置きながら別の作業をすると、不思議と集中が続く。
だとすれば、その「何か」は本物のAIでなくても構わないはずです。動いているように見える画面さえあれば、同じ心地よさが得られるかもしれない。そう考えて作ったのが「scroll」でした。
ゼロから生み出すより、再現すること
実際に作ってみると、初期実装は30分ほどで終わりました。自分でも驚くくらいあっさりと、AIは「ターミナルらしさ」を再現してくれたのです。
それで完成でもよかったのですが、文字の流れる速度や表示のゆらぎ、内容のバリエーションなどの追加実装を行っていきました。それにより、だいぶリアルさがアップしました。
さらに、チャイム音やタイトルロゴなどのちょっとした演出を活用して、ポモドーロ機能も強化していきました。
公開してみて、改めて「これはかなりマニアックなものを作ったな」と思います。
AIエージェントに馴染みのない人には伝わりにくいでしょうし、馴染みのある人からしても「それで、何がいいの?」と言われそうな代物です。
このアプリは、多分万人受けはしません。
でも、100人のうち1人にめちゃくちゃ刺さるようなWebアプリだと思います。
そんなことに対して自信があったので、実際に作ってみようと思えたし、早い段階で公開することができました。
ずっと心の中にあった「流れていく画面が見ていたい」という、ささやかで、少し説明しづらい気持ち。
それを、ようやく形にできたことが、何より嬉しいことでした。